『ゼロ・ダーク・サーティ』(Zero Dark Thirty)

TOHOシネマズ有楽座にて、日曜日に。

ビン・ラディンの居所を追い続けた女性CIA捜査官の話。

片方から見た話。

もっとイヤな気分になるだろうと思っていたけど、そうでもなかった。あくまで主人公を描くことに軸を置き、そこがぶれなかったからだと思う。しっかり作られた良い映画。

とはいえ、描かれる内容は、やっぱり気分の良い物ではない。それはそうだ、起きた事実自体がイヤな出来事だったんだから。それに、片方から見た敵を追いかけ、やっつけるという話だから。ここでの敵はスーパーマンがやっつける誰から見ても悪党という敵ではないから。

 

※以下、内容にも触れます。

 

拷問のシーンなんかもあり、アメリカ側の非道い面も入れたりしているけど、こんなもんじゃないでしょ。いろいろと相当綺麗に整えられているんだと思う。いや、そもそも製作者は真実の現場にいたわけじゃないから、そもそも真実は描写できないんだろう。

爆破のシーンが度々あり、その音と振動がその度に身体に響く。本当にイヤな音と振動だ。こんな音と振動を感じる中で暮らしている人々がいるんだな。僕だったら頭がおかしくなりそうだ。

最後の主人公の表情が印象的だった。喜びもなく、達成感なく、安堵もなく、疲れのにじんだ迷ったような表情。この出来事は何なんだろう? 私のこの数年間は何だったのだろう? これから私は何をすれば良いんだろう?

僕がこの映画を観終わって、まず思ったのは、「この人、この後、どうするんだろう?」だった。

でも、それは映画の主人公についてのお話。モチーフとなった実際の人物は、うひょ〜って飛び上がってバカ笑いして喜んでたのかもね。「これで、出世もバッチリね!」とかも言いつつ。でも、それぐらいじゃないと、この映画でやってるようなこと、実際には出来ないのかもしれないな。あと、高卒でスカウトされたってのには、驚いた。CIAとか、大卒エリート的なイメージを持ってたから。むしろ、大卒のいろいろ考えちゃうようなインテリには、こうした任務は向かないのかもしれないな。

 

**ただ今のBGM:Kid Loco『Jesus Life for Children Under 12 Inches』

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