『草原の椅子』(映画)

※映画の感想は、終わりの方にチョビっとです。

10年ちょっと前、親父が、いろいろあって(だと思う)長年勤めた会社を辞めた。それまで、お袋を海外旅行に連れてったことはあったけど、休みが合わない親父はなかった。良い機会だし、誘った。そして、どこに行きたいか聞いたら、海外に詳しいわけでも、海外旅行が趣味でもない親父から「パキスタン」と返ってきて、びっくりした。なぜ、パキスタン? さらに、具体的に行きたい土地を聞くと、「フンザ」と答えた。なんで、そんな地名を知っているんだろう? 僕が、そのさらに昔に行った時の話を覚えていたから? 答えは、宮本輝さんの小説、『草原の椅子』だった。

結局、その時は、僕の休める日数では満足のいく日程にならないと思ったし、9/11があったりもして、フンザの旅は断念し、ネパールに行った。そして、いつか連れてくと約束した。

互いの都合、季節、日数が揃う休みが取れることなく、約束を果たせぬまま10年が経ってしまった。当たり前だけれど、親父も僕もそれだけ歳をとった。このまま自分の都合が合う日にこだわってるうちに、親父が行けなくなってしまっては、本末転倒だ。そこで去年、両親でツアーで行ってもらった。そのツアーの手配をしに旅行会社に行った際に、『草原の椅子』映画化を知り、観に行こうと思った。

 

丸の内東映にて。

上記のような ちょっとした縁もあり、下駄を履かせちゃってるかもしれないけど、良い作品です。原作は、確か文庫本上下巻組で結構なボリュームがあったはず。なので、うまくまとめているのだと思います。原作からしてそうだった気もするけど、登場人物を絞り切っているからこそでは。フンザの画は、もちろん見所なんだろうけど、僕は、むしろ、日本での、どうということない、やりとりや画に気持ちが動くことが多く、だから、良い作品だと思うのでしょう。

フンザ、全く記憶が色褪せないなあ。

原作の内容、ほとんど記憶に無かったなあ。でも今や、この作品に感じ入る歳になったんだなあ。10年後、主人公と同い年になったら、さらにわかるのかな。主人公とは真逆な人生だけど(笑)。

パンフレットとフンザで買った帽子
P1150558

 

 

**ただ今のBGM:Marc Ribot『Silent Movies』

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